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①不動産売却の目標を決める 不動産売却の知識

不動産(家・土地)を売却するか活用するかはどうやって決める?

更新日:

不動産売却と活用ヘッダー

 

 

不動産(家・土地など)を持っていて、自分が住まない場合、その不動産(家・土地など)をどうするか?には大きく分けて3つの選択肢があります。

①売却する

②活用する

③維持する

①、③はそのままの意味ですが、②に関してはさらに細分化できます。

 

不動産(家・土地)の活用方法

1. 建物を残したまま、もしくは新たに建てて賃貸物件を経営する(賃貸アパート・賃貸マンション・一戸建ての貸家・賃貸併用住宅・事業用や店舗用ビル)

2. 更地のまま、もしくは更地にして貸し出す(駐車場にする・倉庫や資材置き場などにする)

このように、様々な選択肢が考えられる不動産(家・土地)の使いみちですが、売却・活用・維持など、どの選択肢を選んだら良いのか判断するのは難しく感じる方がほとんどだと思います。

特に、不動産(家・土地)を相続して、初めてその不動産(家・土地)をどう使うかを考え始めたという方にとっては尚更むずかしいところですよね。

 

このページでは、そうした、自分が住まない不動産(家・土地)を持っている方が、その土地を売却すべきか活用すべきか、あるいは維持しておくべきなのか等、どう使うべきかについて解説していきます!

 

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使わないのに何もせずに維持しておくのは一番もったいない!

特に不動産(家・土地)を相続した方に多いのですが、何もせずに維持(放置)しておくというのが一番もったいないです。

何もしなくても、「固定資産税」や、場所によっては「都市計画税」がかかりますし、もし電気やガス・水道の契約を続けているのであればそれらの基本料金がかかります。

 

また、保険を解約していなければ、火災保険・地震保険・家財保険などの費用もかかりますし、マンションの場合は分譲であっても管理費・共益費がかかっている場合もあります。

使っていない家(空家)であれば、これらの契約をすべて残していることはあまり無いでしょうが、固定資産税(場合によっては都市計画税も)は必ずかかってしまいます。

 

さらに、2015年5月に施行された空家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)によって、「特定の空家等」は固定資産税や都市計画税が5倍もかかってしまうこともあります。

「特定空家等」とは

そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。

 

参考:空家等対策の推進に関する特別措置法

 

まったく使っていないにも関わらず、税金や諸費用だけを支払い続けるのは損なので、なるべく早く売却もしくは活用することを検討した方が良いです。

不動産(家・土地)の売却と活用はどちらを選ぶのが良いか

このページの冒頭で挙げた、不動産(家・土地)の3つの使いみちの内、まずは③の「維持する」という選択肢は一番もったいないというお話をしました。

 

残るは、「①売却」と「②活用」ですが、どちらを選ぶのが良いのでしょうか?

これに関しては、必ずこっちを選んだ方が得!という選択は、残念ながらありません。

状況に応じて判断するしかないです。

 

なぜなら、不動産(家・土地)の売却と活用には、それぞれにメリット・デメリットがあり、掛けられる予算・許容できるリスクや手間・税控除の特例が適用できるか・相続の問題・そして土地の価値などを総合的に判断した上で決める必要があるからです。
これらの点について、自分だけで判断するのは不可能ですので、最終的には不動産業者に相談して決めましょう。

もちろん、相談する前に自分で情報収集や勉強して検討するのは大事ですが、最終的にはプロに相談することをおすすめします。

不動産の世界では、「3年ひと昔」という言葉もある程、相場・税制などが日々変わっていますので、最新の状況を知るにはプロへの相談が必要不可欠です。

 

答えを出すことは出来ませんが、こんな選択肢があるという例を、いくつか挙げてみます。

ご自身の状況と照らし合わせて判断する材料にしてみてください。

 

パターン① 空家を所有している ⇒ 賃貸住宅にして活用

空家を所有している場合、その家を貸し出して利益を得ることもできます。

 

この場合のメリット・デメリットには下記のようなものがあります。

メリット デメリット
  • 家賃収入が得られる
  • 礼金の収入が得られる(礼金を設定した場合)
  • 更新料の収入が得られる(更新料を設定した場合)
  • 将来的に自分が住みたくなった時に戻れる
  • 相続時に貸し出していた場合は、評価額がさがる(相続税が減額になる)
  • かかった費用以上の収入が得られれば得になる
  • 固定資産税、都市計画税など税金がかかる
  • 管理費、修繕積立費がかかる(マンションの場合)
  • 仲介手数料、管理委託費がかかる(不動産会社に委託した場合)
  • 空室リスクがある(空室の間は収益0)
  • 空室の間の管理を依頼した場合は費用がかかる(戸建の場合)
  • 設備等の交換、修繕費がかかる(耐用年数などにより変動)
  • 相場の変動等により家賃を下げることになるリスクがある
  • 入居者とのトラブルリスクがある
  • 住宅ローンの返済が終わっていない場合は、金融機関から貸し出しNGもしくは賃貸住宅用のローンに借り換えをするよう言われるかもしれない
  • 収入より費用の方が大きくなるかもしれない

 

デメリットの方が多いようにみえますが、多くは費用の問題です。

かかる費用よりも家賃収入の方が多ければ、利益を得ることが出来ます。

ただし、貸し出す際にリフォームしたり、新たに住宅を建てた場合などは、その出費分を収入が上回るまでは赤字ということになります。

また、住宅ローンの返済が終わっていない家を貸し出す場合には、住宅ローンの月々の返済額を家賃収入が上回らなければ、当然不足分を別に支払わなければなりませんし、そもそも住宅ローンの返済が終わっていないのに賃貸物件にするのはNGとしている金融機関も多いです。もし住宅ローンの残債が残っている家の場合は、貸し出す前に金融機関に確認しましょう。

 

こうした点を踏まえて、どんな方、どんな場合に、売却よりも活用する(貸し出す)選択をするべきかというと、

 

確実に必要なのは、

①収益が見込めること

貸し出すにあたって必要な初期費用や管理費、それに税金などの費用を上回る収益が見込めなければ、賃貸住宅にして貸し出しても損になってしまいます。

ただし、家賃が下がるなど様々なリスクも考えられるため、確実に収益が得られるということはありませんので、最終的にはリスクや手間を取っても賃貸経営したいという気持ちが必要になります。

 

また、下記のような条件があれば、より貸し出す選択肢が有力になるかと思います。

②将来的に自分が住む予定なので売却したくない

③リフォームなどが必要なく初期費用が要らない(もしくは少ない)

④住宅ローンの返済が終わっている

⑤立地が良く、周辺の家賃相場が高い

 

パターン② 狭い土地を所有している ⇒ 駐車場にして活用

土地を持っているけれど狭くて、家を建てたりできないという場合には、駐車場用地として貸し出し、利益を得ることもできます。

 

この場合のメリット・デメリットには下記のようなものがあります。

メリット デメリット
  • 土地が狭い場合など住宅や店舗に向かない場所でも駐車場としてなら使える
  • 賃貸経営に比べて初期費用が少なくてすむ
  • 賃貸経営に比べてリスクが低い
  • 将来的に自分が住みたくなった時に戻れる
  • 売却、住宅建設などの用途に転用しやすい(借地借家法の適用外のため、制約が少ない)
  • 管理を管理会社に委託すれば手間が少なくて済む
  • 時間貸し駐車場であれば契約0でも定額の賃料がもらえる場合が一般的
  • 相続税が支払えない場合に現金化しやすい
  • かかった費用以上の収入が得られれば得になる
  • 建物がある場合と比べると固定資産税・都市計画税が高い(更地と同じ評価になる)
  • 相続時に貸家建付地としての評価限がない(建物がある場合と比べると節税効果が低い)
  • 賃貸経営に比べると収益が低い
  • 収入より費用の方が大きくなるかもしれない

土地を駐車場として貸し出す場合のメリットは、賃貸経営よりも初期費用や管理費が少なく済む点、狭い土地でも駐車場としてなら活用しやすい点などもありますが、

「今は土地を売却したくないけれど、妻や子供が相続した時には売却して現金化しやすい」という理由で駐車場にすることを選ぶ方も多いようです。

その土地を手放したくないけれど、更地のまま置いていても固定資産税や都市計画税が出て行くだけなので、相続するまでは駐車場にして少しでも収益を得ておき、相続時にはまた更地にして売却する。ということが簡単にできるのが一番のメリットかもしれません。

もちろん大規模な駐車場にすればそれだけ得られる収益とリスクも大きくなり、賃貸経営に近くなります。

 

パターン③ リスクを取りたくない/早く現金化したい/住宅ローンが残っている/住み替えの場合 ⇒ 売却する

不動産活用と売却を比べた場合、うまくいけば不動産活用の方が大きな利益を得られる可能性はあります。

ただし、その分リスクも大きいため、リスクを取りたくない場合は初めから売却しておいた方が無難です。

 

また、借金があって早く現金が欲しい場合や、住宅ローンが残っている状態での住み替えの場合は、借金や住宅ローンの残債分を賄えるだけの現金を得るために売却したいという方が多いでしょう。

住宅ローンが残ってはいるものの、賃貸住宅にして家賃収入でローン返済に充てたいという考えもありますが、その場合はローンの残っている家を貸し出しても良いか金融機関に確認しておく必要があります。もし黙って貸し出していたことがバレた場合、ローンの一括返済を求められてしまうことがあります。

 

活用ではなく売却すると決めた場合は、今度は売却の方法(「仲介」と「買取」)を選ぶ必要があります。

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