不動産(家・土地)の売却方法には、「仲介」と「買取」の2種類があります。
不動産売却というと、一般的には「仲介」をイメージする方が多いと思いますが、最近は「買取」を選択する方も増えてきているようです。
「仲介」と「買取」、それぞれの違いと、どちらを選ぶのが良いのかについて解説します。
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不動産(家・土地)売却の方法① 「仲介」とは?
多くの方が不動産(家・土地)売却ときいて思い浮かべるのが「仲介」です。
不動産屋に、不動産(家・土地)の販売活動を依頼して、買主を探してもらいます。
無事に売却が出来たら、仲介手数料を支払います。
不動産(家・土地)売却の方法② 「買取」とは?
「買取」とは、不動産を買取業者(不動産屋)に買い取ってもらう売却方法です。
買取業者は、不動産を買い取ってリフォームや建て替えなどを行い、販売を行います。
買取の場合は仲介手数料はかかりませんが、売却価格は相場より10%~30%下がるのが一般的です。
「仲介」と「買取」のメリット・デメリット
仲介のメリット
- うまくいけば不動産を高く売れる
仲介のデメリット
- 査定価格より売却価格が下がる場合がある
- 売却まで時間がかかる
- 現金化まで時間がかかる
- 内覧対応が必要
- 瑕疵担保責任がある
- 仲介手数料がかかる
- 売却を周りに知られる
買取のメリット
- 売却価格が下がらない
- 売却までの期間が短い
- 現金化までが早い
- 内覧対応が不要
- 瑕疵担保責任がない
- 仲介手数料がかからない
- 売却を周りに知られない
買取のデメリット
- 仲介よりも売却価格が下がる(10%〜30%程度下がる)
仲介と買取どちらを選ぶべきか?
相場で売れれば仲介の方が利益が大きい
仲介の場合は、仲介手数料がかかります。
これは法律で最大の金額が決まっています。
取引額 | 報酬額 |
取引額200万円以下の金額 | 取引額の5%以内+税 |
取引額200万円を超え400万円以下の金額 | 取引額の4%以内 |
取引額400万円を超える金額 | 取引額の3%以内 |
取引額1000万円の場合は、1000万の3%が最大と思ってしまいそうですが、実はそうではありません。
取引額1000万円の場合は、200万の5%+200万円の4%+600万円の3%の合計額が最大になります。
これだと計算が分かりづらいため、プロの不動産業者は「速算式」というものを使って計算します。
速算式でも計算結果は同じになり、計算がかなり簡単になりますので、自分で計算する場合にも速算式で計算するのがおすすめです。
速算式
売買価格×3%+6万円+消費税(売買金額が400万円超の場合)
買取の場合は相場の10%〜30%程度低い金額での売却となりますので、相場で売れた場合は、ほとんどの場合で仲介手数料を加味しても仲介の方が利益が大きいです。
なるべく高く売りたい、なるべく利益を大きくしたいという場合には、仲介の方が向いているでしょう。
ただし、あくまで相場で売れると仮定した場合ですので、売れずに値下げせざるを得なくなると、結果的に買取より安くなってしまうリスクもあります。
早く売りたい/手間をかけたくない/売却を周りに知られたくない場合は買取が良い
債務整理や相続税の支払いなどのため早く売却したい場合
内覧などの手間をかけたくない場合
借金や離婚などが理由の売却で周りに知られたくない場合
などは買取の方が向いています。
買取であれば、不動産買取業者に提示された査定額に納得できれば、すぐに売却して現金化することができます。
このスピード感が買取の最大のメリットです。
また、不動産を購入するのは買取業者(不動産屋)ですので、一般の買主の内覧対応などを行う手間もありません。
もし周りの人に売却を知られたくない場合にも、買取であればバレる心配はありません。
仲介でも、周りに知られることのないように、近隣への折り込みチラシを止めるなどの対応は出来ますが、仲介で一番効果の高い広告方法が折り込みチラシですので、売れづらくなってしまいます。
そうなると、なかなか売れずに売却までの期間が長くなったり、売却価格を下げることになってしまいます。
そのため、どうしても周りに知られたくない方は、買取を選ぶ方が多いです。
また、買取の場合は瑕疵担保責任がありませんし、買主は買取業者(不動産業者)ですので、売却後に買主とのトラブルになったり、補修費用を請求されるなどの心配がないのもメリットです。
仲介と買取のメリットを備えた不動産業者も
最近では、仲介と買取のメリットを兼ね備えた不動産業者も増えています。
こうした業者では、初めは「仲介」で依頼し、売れなかった場合は3ヶ月後に「買取」にすることも可能ですし、さらに仲介で契約延長することもできます。
もし、「3ヶ月はかけられるけれどそれ以上は待てない」という場合などは、こうした不動産業者に依頼するのもおすすめです。
すぐに売却・現金化する必要がある場合は、初めから買取を選びましょう。